空き家豆知識 TRIVIA

空き家になった実家の相続手続き。まず確認しておくべきポイントは?

空き家になった実家の相続手続き。まず確認しておくべきポイントは?

全国的に増えている空き家問題で特に多いのが、親が住んでいた実家が空き家化してしまうケース。親が亡くなった時や、何らかの事情で住み続けられなくなった時には、子どもや兄弟姉妹が相続人として遺産相続の手続きをする必要があります。しかし、相続問題の長期化によって管理されず、空き家のまま放置されて老朽化してしまう事例も多く見受けられます。

 

前回は、将来の相続や空き家化に備えた家族での話し合いや実家データの情報収集などの対策について解説しました。今回は空き家の相続が発生した場合に確認しておくべきポイントを紹介します。

相続開始の3カ月間で必要な確認・調査

相続にはさまざまな手続きが発生し、相続人や資産価値、遺言内容などを明確にしておくことが必要となります。後々の相続トラブルを防ぐためにも、以下のポイントを相続発生時や事前に確認・調査しておきましょう。

・遺言書の確認

遺言書がある場合は遺言の内容が優先され、遺言書が無い場合は配偶者や子どもなど相続人全員の話し合いによって空き家の持ち主や遺産の分け方を決めます(遺産分割協議)。遺言書が無い場合は、相続人で遺産分割協議を行います。

 

・相続人の調査

戸籍を調査し、相続できる権利を持つ人を確定します。相続の順位は法律で定められており、基本的に配偶者や子どもが法定相続人となります。子どもや兄弟、親族など複数の相続人が居る場合、空き家の処分などの手続きをするためには相続人全員の合意を示す書類が必要です。

 

・資産価値の調査

不動産の登記簿を調査し、資産価値、負債を把握します。空き家となる実家にどのような資産価値があるのかによって売却や貸し出し、居住するなどの対処方法が異なります。資産価値がなければ売却は難しくなり、処分方法などを検討する必要があります。

 

・相続の方法を決める

相続には以下の3つの方法があります。

 

1.単純承認

全ての相続財産を承認する方法で、手続きは不要となります。

 

2.限定承認

プラスになる財産の範囲内で財産を相続します。相続開始を知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申述し、相続人全員が共同して限定承認を行う必要があります。

 

3.相続放棄

相続財産のすべてを放棄する方法で、相続開始を知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申述を行う必要があります。他に相続人が居ても、1人で相続放棄の手続きをすることができます。

 

 

「遺産分割協議」とは?

遺産分割協議とは、相続人の間で、遺産をどのように分けて引き継ぐのかを決める話し合いのことで、期限の定めはありません。遺言書が無い場合に行いますが、空き家などの不動産相続においては不動産のまま分ける「現物分割」、不動産の相続者が代償金を払う「代償分割」、売却金額をで分ける「換価分割」、共有名義にしておく「共有分割」の4種類があります。

 

「相続登記」とは?

相続財産に含まれる不動産について、名義人を相続人に変更する手続き「相続登記」が必要です。近年、登記簿上の所有者が分からない土地や空き家の増加が社会問題となっていることから、令和641日より相続登記が義務化されることになりました。相続登記をすることで所有者の権利関係が明確になり、相続トラブルの防止や空き家のスムーズな売却手続きにつながります。

 

相続は手続きや調査に手間や時間がかかりがちで、不動産においては遺産分割などで相続トラブルや手続きの長期化を招きやすい点があります。少しでも早く専門機関に相談して対策を行うことで、相続問題や空き家を抱える負担を減らすことができます。

 

T.omorrow では空き家の相続や活用など、不動産に関するさまざまな相談を受け付けています。ぜひお気軽にお問い合わせください。