建物の安全性を知るポイント「耐震基準」とは?新旧制度の違いから対処法もご紹 介
地震の多い日本において、住宅を選ぶ際に「耐震性」が気になる人も多いのではないで
しょうか? 建築基準法が定める「耐震基準」は、大きな地震が発生する度に建物の安
全性を強化するための法改定が実施されています。
現在増え続けている空き家の多くは、現行の耐震基準ができる前に建てられている場合
が多く、国土交通省の調査では、空き家の約7割が旧耐震基準に該当することが分かっ
ています。
耐震性が不十分なままの空き家は買い手がつきにくく、放置し続けることで劣化や地震
による倒壊リスクが高まり、震災被害や周辺環境の悪化を招くおそれがあります。
今回は空き家の利活用を考える上で知っておきたい「旧耐震基準」と「新耐震基準」の
違いや、売却時のポイントについてご紹介します。
「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違いとは?
「耐震基準」とは建物が満たすべき耐震性能を保証するもので、「建築法」及び「建築
基準法施行令」により定められています。1981年(昭和56年)には建築基準法の大幅な
改定によって「新耐震基準」が誕生しました。この年より前の耐震基準が「旧耐震基準
」といわれるもので、震度5強の揺れにも耐えられることが基準となっています。しかし
、震度6以上の大きな地震に対する明確な基準はなく、「新耐震基準」では震度6から7強
に達する揺れでも倒壊・崩壊しないことが基準となりました。そして1995年(平成7年
)の阪神・淡路大震災を機に、2000年(平成12年)からは木造戸建ての耐震基準が改定
されています。
「旧耐震基準」の空き家が売りにくい理由は?
旧耐震基準の住まいは、一般的に買い手がつきにくいといわれています。震度6以上の大
地震に耐えうる想定がされていないこと、築年数が40年を超える建物の古さといった安
全面の不安が、売却時の大きなネックとなるのです。さらに、売却価格が安くなること
に加えて住宅ローンの審査が通りにくい、住宅ローン控除や給付金制度が受けられない
、地震保険料が割高になるという点にも注意が必要です。
古い空き家の利活用は「診断」と「耐震化」がポイント
売却時や長期保有のリスクが高い旧耐震基準の空き家ですが、立地や建物のスペックに
よっては中古住宅としての需要が高くなる場合も。古家付き物件や更地にして売る方法
もありますが、耐震補強工事やリフォーム費用の負担といった方法でも売却効果を上げ
ることができます。一戸建ての耐震補強工事を行った場合、現行の耐震基準を証明する
「耐震基準適合証明書」を取得することも有効です。
建物は設計や構造によって耐震性能が異なるため、まずは所有する空き家の築年数を確
認し、「耐震診断」を受けて家の状態を確認しておきましょう。空き家の状況を知るこ
とで建物管理や利活用がしやすくなります。
自治体の補助制度を利用しよう
多くの自治体では、耐震診断や耐震改修工事、「耐震基準適合証明書」発行の費用に対
する補助制度を設けています。補助金は床面積や改修内容によって異なりますので、所
有物件のある自治体の制度を調べてみましょう。
「T.omorrow」では空き家の耐震基準や売却のご相談も受け付けております。ぜひお気軽
にお問合せください。