中古住宅が売りやすくなる？ 国が定める制度「安心R住宅」って何？
増え続ける空き家対策のひとつとして、2017年12月に施行された「安心R住宅」という
制度をご存じでしょうか？ これは、既存住宅の流通促進に向けて国土交通省が創設し
たもので、一定の基準を満たす既存住宅に対して「安心R住宅」という国が定めた認証
マークを広告などに付けられる仕組みです。
「安心R住宅」のRは「Reuse（リユース）」、「Reform（リフォーム）」「Renovation（
リノベーション）」を意味します。安心して購入できる中古住宅の目印となるもので、
国から認められた事業団体の「お墨付き物件」として住宅の品質が保証されます。購入
者はニーズに合った優良物件が選びやすくなり、売主も「安心R住宅」を取得すること
で売却がしやすくなるというメリットがあります。
中古住宅は新築と比べて価格が安く、現物を見た上での比較検討や自分好みのリノベー
ションが可能です。一方で設備の古さや劣化・損傷といった欠点の分かりにくさ、情報
の少なさといった点から、購入時の不安や入居後のトラブルにつながるケースも。こう
した「不安」「汚い」「わからない」といった中古住宅のマイナスイメージを払拭し、
買いやすい環境の整備を図ることが「安心R住宅」の目的です。
「安心R住宅」の認定条件とは？
「安心R住宅」の認定を得るためには、以下の条件が必要となります。
1.「安心」
新耐震基準を満たし、耐震性等の基礎的な品質を備えている。
インスペクション（建物状況調査等）の結果、検査基準に適合している。
2.「きれい」
リフォームを実施済み、又は予算設定を含む「リフォーム提案」が付いている。
外装、主な内装、水回り状況の写真を閲覧できる。
3.「わかりやすい」
過去の点検記録などの保管状況について開示され、必要な情報提供が行われる。
この条件をクリアした物件であれば、指定の登録団体を通じて「安心Ｒ住宅」の認証を
取得することが可能です。
「安心Ｒ住宅」として売却をすすめたい時は？
「安心Ｒ住宅」として中古住宅の売却を行うためには、以下の手続きが必要です。
「安心Ｒ住宅」の登録事業者団体は十数社あり、その内のいずれかに所属している不動
産会社を通じて手続きを踏むことができます。
1. 国が指定する登録事業者団体に所属している不動産会社に相談する
2. 専任媒介契約、または専属専任媒介契約を結ぶ
3. インスペクション（建物状況の調査）、リフォームプランの手配を行う
4. 「安心R住宅」のロゴマークを付けて広告する
5. 購入希望者と売買契約を締結する
制度の内容や事業者情報については、以下の国土交通省のサイトで確認できます。
「安心Ｒ住宅」の制度を利用することで、買い手に不安を与えることなく早期売却が期
待でき、引き渡し後のトラブル回避ができます。新しい制度のため認知度が低く、イン
スペクションや耐震改修のコストを考えておく必要もあり、制度の内容をよく把握して
から検討することが大切です。
中古住宅の流通促進や空き家対策として注目されている
制度です。
「安心Ｒ住宅」はもちろん、空き家の売却に関する相談は「「T.omorrow」までお気軽に
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次回は「安心Ｒ住宅」のメリットや注意点について詳しく紹介します。