空き家豆知識 TRIVIA

地震、豪雨、火災…被災した空き家がもたらす災害リスクと、防災・減災対策について考えよう

地震、豪雨、火災…被災した空き家がもたらす災害リスクと、防災・減災対策について考えよう

近年は自然災害が増加傾向にあり、全国的に頻発する地震や台風、豪雨、豪雪、強風などによる被害が拡大しています。自然災害が社会や経済、人々の暮らしに与える影響は大きく、今や防災対策は日常生活を送る中で重要なテーマとなりました。住まいや建物に対する防災、減災意識は高まっていますが、その一方で、年々増え続ける空き家の被災による被害が大きな課題となっています。

 

管理不十分な空き家は損壊や延焼のリスクが大きく、近隣に思わぬ悪影響をもたらす可能性があります。自分の住まいと同様に、所有する空き家の災害リスクにも目を向け、適切な防災対策を行うことが大切です。今回は、空き家の災害リスクと防災管理について紹介します。

地域の災害リスクを把握し、できる限りの防災管理を

近年多く発生している自然災害として、地震による揺れや台風による強風、豪雨、洪水、土砂崩れ、豪雪などが挙げられます。これらは海や山、川が近い等の土地条件によって災害リスクが異なります。まずは、自分の住まいや所有する空き家・建物がある市町村のハザードマップを確認し、地域ごとの災害リスクを把握しておきましょう。自然の脅威を食い止めることはできませんが、できる限りの防災対策や管理を行うことで、被害の軽減や人命を守る行動につなげられます。

空き家におこるさまざまな「災害リスク」

空き家は築年数が古いケースが多く、老朽化や耐震性の低さによって損壊の危険性が高まります。空き家の被災により、以下のような被害と悪影響が想定されます。

・地震や強風で建物が倒壊、破損

・強風で破損した屋根や窓ガラス、外装材、アンテナ、倒れた庭木などが飛散

・浸水により湿気で土台や構造材、配線などが腐食。建物の劣化やシロアリの発生につながる

・被災後に放置することで、がれきやゴミ、汚れが残って不衛生な状態に。悪臭や景観悪化、治安の悪化により不法投棄や火災を及ぼす危険性も

 

空き家は災害に見舞われた時の被害が大きく、人が住んでいなくても近隣住民や周辺環境に大きな影響を与えます。放置することで通行人や周囲の建物、車などに危害を及ぼしたり、道路の遮断や避難経路を塞いだりするなど、災害対応や復旧活動の妨げになる場合もあります。

普段から適切な管理を行い、被災した空き家は放置せず対処しよう

もし所有する空き家が自然災害による損壊などの被害を受けた場合、空き家の管理は所有者の責任となるため、そのまま放置しておくことはできません。まずは被害状況を確認・記録し、火災や飛散などの二次災害を防ぐための対応や、がれきの撤去や修復、解体作業を行う必要があります。見た目に大きな被害がなくても、構造などの見えない部分が漏水や破損している場合もあるため、しっかり点検を行いましょう。

 

自然災害による空き家の被害を少なくするためには、普段から適切な空き家管理・対策を徹底しておくことが一番。普段から空き家の破損や劣化などの状態をチェックしておき、掃除や換気、雑草や庭木の処理、施錠などの管理を定期的に行いましょう。所有している空き家の活用方法についても早めに検討し、リフォームや解体などで災害時の不安材料を取り除いておくことも選択肢の一つです。

 

また、空き家の耐震診断や耐震リフォームを行っておくこともおすすめです。自治体では空き家の診断や耐震改修に対する補助金を支給する制度もあります。

空き家は地震保険がかけられない?

一般的な住宅の場合は、地震による損壊や火災に備えるための地震保険に加入しておく必要があります。ただし、地震保険は法律によって人が住んでいる建物と家財が対象になるため、空き家は地震保険の適用外となります。空き家は火災保険に加入できますが、地震被害に対する補償はないため、日頃からの地震対策が必要です。

 

空き家の管理は所有者の責任となります。災害時の被害を最小限に抑えるためにも、住んでいる家と同じように対策を行うことが求められます。しかし、日頃の空き家管理に加えて、災害リスクまで考えるのは負担が大きい、と感じる人もいるのではないでしょうか。空き家をそのまま放置している人は、早めの売却や賃貸利用がメリットになる場合も。災害リスクも見据えた、早めの管理・活用を検討しましょう。

T.omorrow では、空き家の管理・活用、防災対策など、不動産活用のさまざまなお悩みに関する相談を受け付けています。まずはお気軽にご相談ください!