貸主・借主ともにメリットあり! 空き家活用で注目を集める「DIY型賃貸借」とは?
使わなくなった空き家を借家として賃貸経営する場合、家の状態が悪い部分は修繕やリフォームでキレイにしてから貸し出すのが一般的です。そのため、貸主(家主)は独自でリフォーム費用を負担する必要が生じます。しかし、賃貸物件でありながら借主側が改修できる「DIY型賃貸借」の契約であれば、現状のまま貸し出すことが可能です。DIY型賃貸借は貸主・借主ともにメリットがあり、新しい賃貸契約のカタチとして空き家対策においても注目を集めています。
今回は、賃貸活用する際にぜひ知っておきたい「DIY型賃貸借」について紹介します。
借主が自分で改修できる「DIY型賃貸借」
DIY賃貸借とは、借主側でDIYができる賃貸借契約のこと。本来は貸主側の判断で改修を行っていた一般的な賃貸契約に対して、借主(入居者)の意向を反映して住宅の改修を行うことができます。賃貸でありながら、持ち家のように自分好みで改修できる自由さもあるのが特徴です。
ちなみにDIYとは「Do It Yourself」の略で、プロではない人が自分の手で家具・小物制作や、建物の修繕を行うことを指します。DIY賃貸借では、借主が自ら改修する場合もあれば、専門会社にリフォームを依頼する場合もあり、その工事方法はさまざまです。工事費用は借主と貸主が負担しますが、ケースによってその費用分担は異なります。
DIY型賃貸のメリット
従来の賃貸物件では、借主が自分で改修を加えることはできません。また、原則として退去時にはDIYによる変更点を原状回復することが必要となります。DIY型賃貸借はリフォームが許可されているので、間取りや内装、インテリアを自分好みに仕上げたい借主には最適です。
DIY型賃貸借は、貸主・借主の双方にとって次のようなメリットがあります。
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貸主のメリット
・修繕・リフォームの費用や手間がかからない
現状のまま貸し出せるので、リフォームによる費用の負担や手間をかけずに賃貸経営ができます。
・ターゲット層を絞って空き家活用できる
DIYが可能な賃貸物件は、間取りや内装を自分好みにカスタマイズしたいユーザーへのアプローチとなります。ターゲット層が明確なので競合も少なく、効率的に集約できるのもポイント。売却が難しい物件でも、DIY賃貸にすることで活用の選択肢が広がります。
・長期入居、退去時のグレードアップが期待できる
借主の負担で改修をするので長く住むことが期待でき、長期的な賃貸経営につながります。また、DIY改修により内装などがグレードアップされ、物件の価値が上がる可能性があります。
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借主のメリット
・賃貸物件を自分好みに改修できて、持ち家感覚で居住できる
物件を購入せずともDIYができ、金銭的な負担を抑えながら自分好みに合わせて改修できます。
・DIYを負担するぶん、相場より賃料が安い傾向にある
リフォーム費用を借主が負担するぶん、家賃が安めに設定されている場合があります。
・DIY工事部分は、退去時に原状回復の義務を無しとできる
一般の賃貸契約は、退去時に原状回復を行う義務が生じます。しかし、DIY賃貸借では基本的にその義務もありません。退去時に元に戻す作業や費用の負担がなく、自由にリフォームすることができます。
DIY賃貸借のデメリットと注意点
双方にメリットのあるDIY型賃貸借ですが、貸主にとって気をつけておくべきポイントがいくつかあります。リスクを抑えるためにも、以下の点に注意しましょう。
・家賃が相場より安めに設定される
貸主による改修の負担がない分、家賃は相場より安い傾向があります。
・契約内容の手続きを明確にしておく必要がある
一般的な賃貸物件と比べて契約の取り決めが多く、DIYの範囲や費用の分担、退去時の契約について明確にしておかないと、後々にトラブルの原因となります。
・賃貸物件としてのニーズが絞られる可能性がある
需要のある層が明確になりますが、中古物件を求めるユーザーの母数は絞られます。幅広く集約をするのか、ターゲットを絞るのか、よく考えて検討しましょう。
全国で増え続ける空き家対策の選択肢として、国も積極的に推奨しているDIY型賃貸借。空き家の賃貸活用のひとつとして検討してみるのもおすすめです。
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