古い家は売りにくい? それでも上手に売却・活用するコツは?
実家などの空き家を所有する際、家の古さが管理や売却のネックになる場合があります。築年数の古い家は一般的に売れにくいとされていますが、放置したままでは家の劣化がさらに進むだけ。建物の損傷や環境悪化で近隣に迷惑をかけることになり、応急措置的な修繕によってさらに維持管理費がかさむことになります。
また、古い空き家が保安上危険とみなされた場合は「特定空き家」に指定され、固定資産税の優遇措置が受けられなくなるなど、大きなデメリットがあります。
たとえ古い家でも、リスクの少ない手段で上手に売却するための選択肢があります。ここでは古い家の基準と売りにくい理由、売却や活用のコツを紹介します。
築何年以上が「古い家」になるの? 古い家が売れにくい理由
築20年を超えると「古い家」に
木造建築における耐用年数は22年と定められているため、一般的に築年数20年を超えると家の市場価値は大幅に下がり、古い家として扱われます。中古物件の取り扱い自体は増加傾向にありますが、築30~40年にもなると建物自体の価値はほぼなくなって成約率も下がります。しかし、土地の相場や建物の状態が良ければ築20年以上でも売却できる可能性が十分にあります。
「旧耐震基準」の家かどうかも大切
旧耐震基準とは、震度5強レベルの地震に耐えられることを想定した1981年以前の耐震基準のこと。1981年6月に施行された現在の「新耐震基準」では、震度6強~7程度の揺れでも家屋が倒壊、崩壊しないことを基準としています。1981年以前に建てられた家の多くは旧耐震基準となるため、売却に不利な条件となります。旧耐震基準の家を売却する際は、耐震改修工事を行うことも効果的です。
古い空き家を売るためのコツと、売る以外の活用手段
建物のメンテナンスやリフォームを行う
傷んでいる箇所を修繕し、使いやすい水回りや間取りにリフォームすれば住まいの価値が上がります。見た目だけではなく、現在の耐震基準を満たすための補強工事も大切。リフォーム費用を負担することが難しい場合は、ハウスクリーニングなどで建物をキレイな状態に保つことも成約率アップにつながります。
ホームインスペクションを活用する
ホームインスペクションとは、住宅診断士が住宅の劣化状態や欠陥、不具合などを調べる不動産調査のこと。住まいの利用価値の判断基準となり、買い手も安心して購入しやすくなります。事前に住居の問題点が分かれば、修繕やリフォームなどの判断もしやすくなります。
瑕疵保険(かしほけん)を付けて売る
売却後に住宅の欠陥が見つかった際、補修費用などを保証する「瑕疵保険(かしほけん)」という制度があります。万が一欠陥があっても補償が受けられるので、古い家の購入を検討している買い手にとって安心です。売主・買主どちらも加入できます。
不動産業者の買い取りを利用する
不動産会社に依頼する際は、実績と信頼性の高い会社に依頼することが大切です。なかなか買い手がつかない場合は、不動産会社に買取りを依頼するのも有効な手段です。個人の買い手を探す手間が省けますが、相場より売却価格が低くなるケースも。買取を依頼する際は複数の会社に査定を依頼し、よく比較検討した上で判断しましょう。
解体して売却する
なかなか売却できず、家の修繕も困難…。そんな場合は取り壊して売ることも選択肢のひとつです。ただし、解体には数十万から数百万円の費用がかかります。また、更地で所有すると固定資産税などの税金が上がるため、更地にするための費用を把握した上で十分に検討して決めましょう。自治体によっては解体の補助金や税金の控除が受けられます。
賃貸物件、または更地で貸し出す
「なかなか売却に踏み切れない」「愛着のある家を手放したくない」という人は、ひとまず賃貸物件としての利活用を検討してみましょう。家賃収入を得ながら維持管理の手間も省くことができます。更地にして貸し出す場合は、駐車場や農地としての活用手段があります。エリアの需要をよく見極めて検討しましょう。
古い家の処分は決して簡単なことではありませんが、早めの利活用に越したことはありません。対策が早ければ早いほど、売却価格のアップやコスト軽減にも反映します。
T.omorrow では古い空き家の売却や活用など、不動産に関するさまざまな相談を受け付けています。ぜひお気軽にお問い合わせください。