なぜ、空き家が増え続けているの? 空き家問題が深刻化する原因とは
全国的に空き家の数が増え、社会問題としてメディアでも度々取り上げられるようになりました。
少子高齢化社会とも深く関わっている「空き家問題」ですが、なぜ空き家が増え続けているのでしょうか?
今回は空き家の数が増える主な原因と問題点を紹介します。
少子高齢化による人口減少
空き家が増える最も大きな原因として、
少子高齢化に伴う人口減少が挙げられます。
空き家の中には、身内の家を受け継いだものの、住む人の居ないまま維持・放置されいる、
といったケースが多く見受けられます。
総人口の減少に対して総住宅数は増加傾向にありますが、
これは核家族化によって3世代が同居するという家族の形が減り、
世帯の分離が進んでいることが一因です。
実家を離れての生活や新たな持ち家を所有する、
少子化で受け継ぐ子どもや孫が居ないといった理由で、
相続しても活用されない家が空き家となっているのです。
空き家の増加率は都市部より地方が高く、
人口の流出や過疎化が空き家の増加に拍車をかけています。
相続した物件が居住地から離れていると、維持管理や処分の手続き、
遺品整理などに手が回らず、結果的に空き家の期間が長くなる場合も。
中には相続人不在で何年も放置され、地域が対処に困る空き家も増えています。
相続による問題
相続人が特定できない、権利関係の交渉が進まないなど、
相続問題も空き家を生む原因のひとつです。
兄弟など複数の相続人で共有名義にする場合は、名義人全員の
同意がなければ売却などの手続きができず、遺産を巡るトラブルへと発展することも。
家を相続する予定のある人は、早めに家族間で話し合っておきましょう。
一方、生まれ育った実家や先祖代々続く古民家など、
想い入れがあって家の解体に踏み切れない人もいます。
家の扱いは損得だけで図れない部分もありますが、住まない状態が長く続くと
家の価値は下がっていきます。
売れるとも限らないため、買い手が見つからないまま空き家として
残ってしまうケースもあるのです。
固定資産税、解体のコスト
固定資産税の問題も空き家の増加を助長しています。
不動産の所有者は固定資産税を支払う必要がありますが、
土地に建物があると最大6分の1に減額される軽減制度が設けられています。
すなわち、空き家を解体して更地にすると制度の対象外となり、
負担額が最大で6倍に跳ね上がってしまうのです。
空き家を解体するにも費用がかかり、売却する際の整地や
家屋のリフォームなどの費用も加わります。
こうした金銭的な負担についても、空き家が解消されない要因となっています。
新築・賃貸住宅の供給が多い
日本は中古住宅より新築住宅の人気が高く、販売戸数の9割近くが
新築物件とされています。
賃貸物件の数も含めると、世帯数に対して住宅の数が供給過多の状態であり、
中古住宅の販売数が伸び悩む「家余り」の現状を生み出しています。
今の新築・賃貸住宅数のバランスが続くことは、将来的に空き家が増えるということなのです。
空き家増加の背景には、今の社会問題や相続といった個人的事情も複雑に絡み、空き家問題。
次回は、空き家を増やさないための解決方法について触れていきます。